Organic Lifestyle EXPO

森里川海の連携と有機農業
~有機農業技術の今と未来を語る~

登壇者 新井 章吾 氏
海藻研究所 所長
第1次産業(農林漁業)の持続可能性(永続的基礎生産力の維持)を確立するためには、広葉樹、照葉樹林などの森の腐葉土が作る栄養塩を含んだ地下水を通じた物質循環を修復する0次産業の創出の重要性を提案。それによって海底の「畑」化を進め、海藻肥料や山の絞り水、海底湧水の農業利用を提唱している。その目的は、伝統的な里山里海の技術の応用による循環型社会の再構築。
登壇者 小祝 政明 氏
(株)ジャパンバイオファーム 代表取締役
(社)日本有機農業普及協会代表理事
経験やカンに頼るだけでなく、自ら構築したBLOF理論に基づき客観的なデータを駆使した有機農業の実際を指導している。主な著書に「有機栽培の基礎と実際」「有機栽培の肥料と堆肥」「有機栽培のイネつくり」「有機栽培の野菜つくり」「有機栽培の果樹・茶つくり」「実践!有機栽培の施肥設計」(農山漁村文化協会)がある。 ※BLOF理論とは、Bio Logical Farming(生態系調和型農業理論)の略で、小祝政明氏が提唱する微生物の力を借りて作物が健康に育つように土づくりをすることで高品質・多収穫を可能にする有機栽培理論。
登壇者 高谷 裕一郎 氏
五段農園 代表
幼少期から土の魅力に取り憑かれ、農学部、種苗会社を経て農業を支える仕事に就くも、「もっと土にまみれて生きたい」と思い、2015年に岐阜県白川町へ移住して有機農業と、オカラやモミガラなどの未利用資源を使った堆肥づくりを始める。野菜ボックスによって消費者と提携し、同時に堆肥や苗づくり事業を構築。生産者ほか家庭菜園用にも供給し、2017年、地域資源を生かした堆肥作りをはじめ、翌年から有機培養土「けんど君」、有機栽培苗/接木の販売開始。さらに土の魅力を伝えるために、2020年から「堆肥の学校」を通して人材育成を進め、農家以外にもこの魅力を伝えるためにSNSや、ポッドキャスト「小農ラジオ」で発信しています。
登壇者 村山 邦彦 氏
(株)へんこ 代表取締役
農と食から社会をデザインする。
京都大学大学院エネルギー科学研究科修士修了。産機メーカー開発職、高校理科教員を経て脱サラ~2007年就農。トマトやほうれん草など野菜生産の傍ら、地域の農業者らと連携して産地形成に取り組んできた。2012年農場を法人化して伊賀ベジタブルファーム㈱を設立。 植物生理や土壌肥培に関わる科学の基本を学ぶ「有機農業のための理科勉強会」を開催、また地域の農産物を取りまとめる卸流通事業を立ち上げ、DX化~流通合理化を進めている。 エネルギー関連の研究開発~脱サラ就農~科学的な有機農業の追求~地域の農産物流通事業~全国各地の生産者・流通業者支援&ネットワーク構築などをやってきました。 最近は食の地域自立のための仕組づくり~公設市場なども巻き込んだローカル&オーガニックの流通システム開発などに興味を持っています。
ファシリテーター 徳江 倫明 氏
(一社)オーガニックフォーラムジャパン 会長
一般社団法人フードトラストプロジェクト代表
一般社団法人サステナ経営協会会長
1951年熊本県水俣市生まれ。’78年山梨にて豚の完全放牧に挑戦。同年、食品公害や環境問題への関心から「大地を守る会」に参画。有機農産物の流通開発を行ない、88年日本初の有機農産物の宅配事業「らでぃっしゅぼーや」を興す。その後オーガニックスーパー、有機JAS認証機関、有機農産物の卸会社、有機農場の設立などを手がける。2016年「オーガニックライフスタイルEXPO」を企画開催、日本最大のオーガニック展示会に育てるなど環境と食の安全をテーマにソーシャルビジネスの企画開発に挑戦し続けている。現在は(一社)オーガニックフォーラムジャパン会長(一社)フードトラストプロジェクト代表理事他

内容 有機農業を拡大していくためには有機農業生産技術の開発と同時にその継承と普及が大切である。オーガニックビレッジ宣言をしている各自治体、あるいは新規就農者の25%から30%が有機農業を目指す時代にあって、その新規就農者や有機農業への転換を図る農家にとっても最も大きな課題でもある。 このシンポジウムにおいては現在の有機農業技術とその考え方を様々な立場の方から提言してもらい、 これからの有機農業技術のあり方と可能性について忌憚のない議論を展開する。

テーマは二つ
一つは基調講演「森里川海の連関と有機農業」
国、自治体にとっては環境問題の解決(二酸化炭素の土壌固定化と生物多様性の保全)や地域づくりと有機農業技術の関係。二つは、有機農業を展開する生産者が持続的に取り組める具体的な有機農業技術の確立とその習得、そして継承していく仕組みづくりである。 今回のシンポジウムにおいては、一つ目のテーマについて、長年海に潜り続け磯焼けなどが広がる海の現状から森の重要性を説く海藻研究所長の新井章吾氏によって「森里川海の連環」と言われる大きな自然環境の中で創られる栄養成分の循環による「基礎性生産力」の維持、あるいは“海藻の農業利用”や“耕畜連携農業”など地域の有機物資源の活用のあり方についての基調講演をいただく。

二つ目はトークセッション「有機農業技術の今と未来を語る―有機農業比率25%は可能か―」
基調講演の新井章吾氏を交えて、自ら構築したBLOF理論によって経験やカンに頼るだけでなく客観的データに基づいた有機農業技術の普及を図っている(株)ジャパンバイオファーム代表の小祝政明氏。 農業生産法人の経営と同時に有機農業技術の基礎理論と技術の普及を図りながら、有機農産物の地域物流のシステム構築も手掛ける伊賀ベジタブルファーム㈱の村山邦彦氏。 岐阜県白川町で新規就農し、野菜ボックスによって消費者と提携し、堆肥や苗づくりを行い、生産者ほか家庭菜園用にも供給し、また地域資源を生かした堆肥作りの指導なども手掛けている高谷裕一郎氏。 に登壇いただき、これからの有機農業技術の普及に関する課題や可能性について、それぞれの立場から忌憚のない議論を展開してもらう。




日時 会期:2024年6月28日(金) 時間:12:30‐14:00 ※12:20~受付   
参加費 無料 会場開催(オンライン配信は行っておりません)
会場 第1回オーガニックライフスタイルEXPO in 京都
京都市勧業館みやこめっせ B1大会議室 
〒606-8343 京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9−1

※オーガニックライフスタイルEXPO in 京都事前登録はこちらから

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